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2008年9月21日 | ブログ

アフガンから逃げるな

昨日の産経新聞朝刊に、「日本は国際貢献に汗を流す自国民を守れもしない。」と
外交評論家岡本行夫氏(元首相補佐官(イラク担当))の特別寄稿が掲載されていた。
素晴らしい内容だったので一部抜粋で書いてみる。
 現在、インド洋で海上自衛隊が行なう給油支援活動の継続が危ぶまれているが、
日本の原油を積んだ28万トンの超大型タンカー「高鈴」がアルカーイダの自爆ボート3隻に
狙われ、多国籍軍が間一髪のところで2隻のボートを爆破したが、もう1隻のボートを
阻止しようとしたアメリカ海軍と沿岸警備隊の水兵3名はボートの自爆で死亡。
3人とも本国に幼い子供達を残していたとの事。
 海上自衛隊の補給艦は、インド洋のソマリア沖に展開する多国籍艦隊に給油するのが任務で、
ソマリア沖では、日本の海運会社が所有したり管理したりする船舶に対する襲撃が
続発しており、その都度多国籍艦隊に非常信号を発信し救出されているらしいし、
報道されないが、襲撃者達に拿捕された船は今年だけで18隻、今もとらわれている船員は
合計130人以上に上るとの事。
 ソマリア沖で洋上給油を行なうのは高度な技術が必要で海上自衛隊の仕事ぶりは
各国に称賛され感謝されている。
また今年の4月には巨大タンカー「高山」が襲われ、救助に向かったドイツ軍艦「エムデン」も
海上自衛隊の補給艦から燃料を補給されていた。
日本では多国籍艦隊への給油活動は憲法違反であり中止せよと野党は再び
撤退を主張しているが、そうした撤退要求聞いてテロリストや襲撃者はホッとするだろう。
襲撃される日本関係船舶の人たちに「オレタチは多国籍艦隊への支援を阻止するが
オマエ達は多国籍艦隊に助けてもらえ」と言っているようなもの。
テロはアフガニスタンから発しアジアに広がっており、もう一つのテロリストの温床が無政府状態の
アフリカ東部のソマリアであり、多国籍艦隊は2つの地域の交流を遮断するため
ソマリア沖に展開しており、アメリカを支援するためではなく日本自身のためでもある。
世界が安全にならなければ、日本だけ安全とはならないからである。
 「自衛隊は危険のない場所にだけ行く。」というのが国会審議で確立された大原則で、
バグダットには外務省の職員がいる。危険なので自衛隊はいないから、日本大使館を
守るのはイラク人のガードマン。バグダットで自国の舞台が守っていない大使館は日本だけ。
海も同じで自衛隊がいなくなった後も、日本商船はスエズ運河を通るためにソマリア沖を
航行しなければならない。イラクでも日本のタンカーは依然として原油を積みこんでいる。
積まなければ日本の石油が足りなくなる。
国が行なおうとしているのは「国民の安全」ではなく「自衛隊の安全」であり
世界中にそんな国はない。
 現在の世界の最大関心は、「本来のテロとの戦争」であるアフガニスタン。
40の国々がカルザイ大統領の要請で軍隊や国境警備隊や警察を送り、「治安」の確保に努め
国際治安支援部隊には各国から5万3000人が参加しているが日本の姿はない。
「どうして来てくれないのか」と聞くアフガニスタン市民に、「そのかわり、
僕たちがいるじゃないですか」と日本のNGO メンバーは答えるという。
1992年カンボジアに平和をもたらす夢を語った青年が「日本が国として何も出来ない分
僕たちが一生懸命やらなければならないのです」と力をこめたのが中田厚仁さんで
その翌年ゲリラの凶弾に倒れた。
 欧米政府は自国のNGOに手厚い保護と財政支援を与えるだけでなく、外国NGOをも
援助している。
日本のNGOの中には、日本政府よりアメリカ政府から受けている予算のほうが多いところもある。
アメリカのNGOに危険が迫れば、米軍のヘリが救出に来る。ヘリにはNGOのアメリカ職員、
次いで現地人職員の順で乗るから日本のNGO職員までは無理だ。
日本人は自前で脱出方法を用意しなければならない。
いまわれわれは、国の生きざまを選択する戦後最大の岐路に岐路にいるのではないか。
 一国の総理大臣がその辺の雇われ社長のように、無責任な辞め方を繰り返し、
自民党、民主党どちらも政権を獲るためだけのアピール合戦を繰り返し、マスコミも含め
馬鹿騒ぎをしているが、今回の特別寄稿を読み、久しぶりに心が表れた感じがした。

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